タブロイド紙 VOL.03 意味と無意味
意味と無意味。*1頁より
いまでも思いが残っている。
毎日、粘土で団子だけを一生懸命に作っていた。
彼に「なにを作っているの」と話しかけると、
「つくりたいんです」と言う。次に、
決まって「じゃましないでください」と言うのであった。
ある日、手を休めた時に「完成ですか」と尋ねると
彼は「完成です」「粘土ください」と陽気な口調で言った。
「これはなんですか」と言うと、
「うーん」と本人も考え込んでいたが、気にしていない様子だった。
イベントを企画し、彼の作品を展示販売することになった。
決まって、お客さんはこう尋ねる
「これはなんですか」「なにに使うものですか」と。