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技 waza 作品集 特装版 限定300冊

価格 ¥3,500(税抜)

生活介護で行う創作的活動で生まれた表現作品の数々をカラーで収録。特装版として、オリジナルステッカーと原画などの作品が特製ファイルに納められています。

*展示会で販売しています。店舗販売はしていませんので、

ご希望の方はCONTACT(お問い合わせ)ください。

お電話によるお問い合わせはございません。

発行:社会福祉法人友愛学園   友愛学園成人部

発行:2025年

頁数:100頁(表裏紙含む)

サイズ:A5

撮影:田中舞

印刷:山田写真製版所

助成:一般社団法人昭和会館

はじめに
幸せを目指す中で、作者がどのような想いで作品をつくられたのかイメージを膨らませてほしい。これを作ったことの先に何があるのか。決して、無目的に作られている訳ではない。作者とスタッフが一緒に過ごす時間の中で生まれた素敵な作品であることには間違いない。これらの作品は、なんともいえない独特な魅力があるが言葉にすることに悩む。独自の動きやクセ、性格や性質、人間関係、空間などいろんな要素がバランスよくマッチングしているようにも感じる。そこで、技という概念を用いて作品を捉えることで見えない魅力を言語化できないかと考えた。改めて最近の作品を振り返り、既定の技法にとわられない自由な表現方法と対峙することになった。

技の定義  Technique
作品集で紹介する技は、刺繍や織り、木工等に限られたものではない。身体的能力を駆使する技術・能力の他、非言語コミュニケーション能力や、知識や教養なども含まれる技法である。

<waza作品集より>

この度、作品集を2025年4月に発行しました。発行に至るまで、「なぜ作品集を作るのか」を私たちは議論を重ねてきました。その結果、「作者が称賛を浴びることが増えるような、喜ばしい物であってほしい」ということに至りました。

生活介護は、「創作」「リハビリ」「運動」を中心として活動を提供しています。創作的活動はその一つです。そのため、創作に取り組まれている人達が大勢います。なにかを表現することは皆が持っている感情であり、自己表現が成された時に幸せを感じるものであると考えています。この活動時間を支援する職員は、「人は、何に興味があるのか」を真剣な姿勢で向き合い、多くの体験を得ています。
当初、成人部を利用している方は、創作にまったく興味が湧かない人がほとんどでした。創作のアイディアを提案しても無関心であることや、興奮されることもありました。それでも職員は様々な提案を考え、実践を続けてきました。成功率で言えば、1割あれば良い方で、10個のアイディアを提案しても受け入れない。そんな状況が長く続くこともありました。今では集中して創作に取り組まれている方が多く見られるようになり微笑ましい限りです。忘れてはならないのは、初めから創作に取り組めていたわけではないのです。
つまり、職員と作者の間で「創作に関する対話」があることで、ゆっくり関係が育まれ、創作活動が成立しているのです。創作に限ったことではありませんが、対話は活動において基本姿勢になります。中には、何かを作らなくても、お話しをしていることを創作と捉えている人もいます。作品集では、その対話する時間の蓄積により、生まれた成果が作品になっています。これを見て、なんでもないものと思い、心に響かない人もいるでしょう。しかし、人の関心力を育み、能力がこのような形で見えることは、とても興味深いモノです。
現在に至るまで、2年ごとに作品展を実施してきました。その中には、作品を見て感動したという人にもたくさん出会いました。そのことがきっかけで、数多くの企画イベントに招待されるなど、作り手が輝く場が増え、新しい交流へ繋がることができました。作品には人を動かす何かがあるのだと思います。その中には、工房に所属している永瀬さんに会いに来た人、神例さんに学園まで会いに来た人もいます。永瀬さんや神例さんと話をしている眼差しは尊敬しているように感じられました。この交流は、支援する・される人ではなく、とても自然な関係性でした。ファンから「すごいですね」と称賛を受ける機会を学園で得られることは貴重な体験です。開放的な施設であることも社会福祉法人という観点では必要なことです。学園まで見学者が来て交流する機会があることは素晴らしいことだと思います。この作品集に関しても、このような「繋がり」が生まれるツールになるよう願いが込められています。また、作品集の写真撮影には、作者に関心を持つ写真家が協力して頂いたことに感謝しています。職員を含め多くの方々の協力によってつくられた物です。
是非、この本を見て、作者やその家族とコミュニケーションをしてほしい。あなたのご家族や友人、仕事関係者とコミュニケーションをしてほしい。それが、作品集の意味にも繋がり、作者のためにもなっていくのだと考えています。

<生活介護主任より>

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